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 がんを巡る社会的な課題について、医療者、研究者、患者、行政、メディアなど異なる立場の人々が情報やアイデア、意見を交換する催し「CancerX(エックス) Summit」が2日、千代田区の東京ミッドタウン日比谷で開かれた。「がんと言われても動揺しない社会へ」を掲げて一般社団法人「CancerX」が主催し、約500人が参加した。

 情報についての回では、米国のがん研究者の大須賀覚医師が「ネットで広がる不正確な医療情報に危機感を感じ、私自身が科学的根拠に基づく情報の発信を続けている。患者さんと専門医とをつなぐ橋渡しをしたい」と語った。「正確さだけでなく共感を意識した発信が必要」「実はネットより家族や友人の影響が強い」「健康食品などの情報に溺れた私の失敗から学んでほしい」などの発言が続いた。

 「いのち」の回では、川崎市立井田病院の西智弘医師が「本人と家族、医療だけでなくコミュニティーで支える部分を」と話し、訪問看護師の秋山正子さんは病院と自宅以外の語れる場の重要性を紹介。緩和ケア医で肝臓に転移したがんを治療中の大橋洋平さんは「余命を知りカウントダウンするより、転移が分かって衝撃だった日から1日ずつ、足し算の命を生きています」と語った。

 「社会」がテーマの回では、同法人代表理事でがん経験のある米国の医師、上野直人さんが「米国のように周りの自発的サポートがあれば日本はもっと良くなる」と発言。地域別のデータに基づいて対策を打ち出す重要も話題となり、鈴木英敬・三重県知事は「患者目線で小児がん支援に取り組んできた。県民参加型予算もあるのでがん対策を今後も進めていく」と話した。

 このほか、「研究開発や審査の最前線」「若い世代のがん」「働くことと企業」などのテーマで終日、意見交換した。(上野創)