ハロウィーン風の節分 起源は幼少期の平賀源内の発言?
子どもが商店などをめぐり、お菓子をもらう「鬼の豆もらい」という節分の風習が、香川県さぬき市の志度地区に残っている。江戸時代、地元出身の発明家・平賀源内が始めたとも伝わり、ハロウィーンにも似ている。いったいどんな行事なのか。3日、現地を訪ねた。
制服姿の児童たちが校門から駆け出してきた。午後1時すぎ。さぬき市立志度小学校は節分のこの日、「豆もらい」があるので午前中で授業が終わる。
豆もらいは午後2時~4時。スーパーや個人商店は「鬼の豆」と呼ぶ菓子やジュースを用意し、待ち構えていた。「おにのまめありません」と貼り出す店もあるが、お菓子がもらえる店先には開始前から列ができた。
洋菓子店「アイナふろーりあん」のオーナーシェフ高橋竜史さん(55)は、700~800人分の手づくりラスクを準備。「千人くらい来たこともあった。毎年、元気をもらっている」と話す。
「鬼の豆、ください」。子どもの声があちこちで響き始めた。お菓子をもらい、「ありがとう!」と言うと次の場所に急いで走る。地面につくほど大きな手提げやリュックを持ち、「たくさん歩くから」と水筒を持った子もいた。
志度小の梅本明宏教頭(56)は、「子どもに礼儀を身につけてもらい、大人と交流することで地域のにぎわいにもつながる」と考えている。学校は行事を通じ、交通ルールに加え、あいさつを欠かさないよう指導している。
起源は何なのか。市商工観光課によると、由来に関する文献や記録は確認できていない。ただ、志度で生まれた平賀源内(1728~79)が始めたと伝わっているという。
琴電志度駅近くで薬局をかつ…