苦境が続く米地方紙で、生き残りをかけた新たな動きが出ている。共通するのは地域の支えを頼りにしている点だ。
雪山に囲まれ、冬季五輪が行われたこともある米ユタ州ソルトレークシティー。市中心部にあるソルトレーク・トリビューン紙の本社を訪れると、オフィスの一角に空席になった机がずらりと並んでいた。
インターネットとソーシャルメディアの広がりで、新聞社の経営は厳しい。ピュー・リサーチセンターによると、全米の新聞社編集局の要員は2006年の約7万4千人から18年には約3万8千人に減った。ソルトレーク・トリビューンは18年に編集局の3分の1の人員を整理、現在は30~40人規模だ。
同社は昨年、大きな決断をし…