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 内閣府が、難民の受け入れや外国人の永住の在留資格について国民の意識を尋ねた世論調査に「移民・難民を恣意(しい)的に排除する意図がある」として、難民を支援する市民団体などが4日、政府への抗議声明を出した。調査のどこを問題視しているのか。

 昨年11月、日本国籍をもつ18歳以上の3千人を対象に「施策の参考にする」という目的で行われた面接調査で、有効回収数は1572人だった。

難民受け入れ「あたかも裁量」

 抗議声明は、外国人の支援にたずさわるNPO法人・移住者と連帯するネットワーク(移住連)と、全国難民弁護団連絡会議が連名で出した。問題視しているのは、難民や日本に永住する外国人に関する設問だ。

 たとえば難民について「日本はこれまで以上に積極的に受け入れるべきだと思いますか、それとも慎重に受け入れるべきだと思いますか」と尋ねている設問。これについて抗議声明では「問いの立て方自体が、難民の受け入れをあたかも裁量で受け入れられると認識しているかのような誤解を与える」と指摘している。

 日本は難民条約に加入しているため、条約上の難民とされる人たちは裁量の余地なく受け入れなくてはならない。「受け入れるべきかどうかが問題になるのは、第三国定住など政策で受け入れる場合に限られる」(抗議声明)とし、設問は不適切だとしている。

「永住許可取り消し」で賛否問う

 また、日本で「永住者」の在留資格を持つ外国人(2018年末時点で約77万人)について、世論調査では「日本の永住者数を多いと思いますか」と尋ねたり、「現在の制度では、許可後に永住許可時の要件を満たさなくなった場合に永住許可が取り消されることはありません」という説明文に続いて、永住許可を取り消す制度を設けることへの賛否を尋ねたりしている。

拡大する写真・図版永住許可を取り消す制度の賛否を尋ねる質問では、「資料を読んでから」と指示が書いてある。専門家によると、この資料を読んでから、ということ自体が異例という

 回答は、永住者が「多いと思う」「どちらかといえば多いと思う」が計38.3%、「適当だと思う」が29.2%、「少ないと思う」「どちらかといえば少ないと思う」が計18.6%だった。

 こうした設問について、抗議声明では「『排除の論理』で移民を制限しようとしている」と指摘。現行制度でも、虚偽申請の場合は永住者の在留資格を取り消したり(入管法第22条の2)、許可後に犯罪など問題があった場合には退去強制させたり(入管法第24条)といった規定がある、などと指摘する。

 また、世論調査で、どんな場合に永住許可を取り消すべきかを尋ねた設問では、選択肢に「犯罪を犯した」「税金や社会保険料を納めなくなった」「生活保護を受けるようになった」などを挙げている。

拡大する写真・図版内閣府の世論調査で、永住許可の取り消し要件について尋ねた設問や選択肢

 これについて移住連副代表理事の鈴木江理子・国士舘大学教授は「収入減や生活保護の受給などを理由にその永住資格が取り消されるとしたら、外国人は安心して日本で暮らせない。将来に不安を抱かざるをえないような国は、外国人に選ばれなくなるだろう」と指摘している。

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