消費税が10%に上がって4カ月が過ぎた。百貨店は消費の落ち込みに苦しみ、新型コロナウイルスの感染拡大も影を落とす。節約志向の高まりを受け居酒屋などでは客足が鈍った。一方で追い風が吹く業界もあり、影響はまだら模様だ。
百貨店最大手の三越伊勢丹ホールディングスは先月末、2020年3月期決算の見込みを下方修正した。理由としてあげたのが消費増税からの回復の遅れだ。金原章執行役員は「想定以上に増税の影響が長引いている。前回(の増税時)よりも谷が深くて長い。高額品は回復傾向だが、衣料品の戻りが遅い」と話した。
下方修正のもう一つの理由は、新型コロナウイルスによる肺炎の拡大だ。売り上げを支えてきた中国人旅行者が急減し、三越伊勢丹を含む大手3社の春節商戦は前年割れに追い込まれた。今後、さらなる下押しも懸念される。
地方百貨店も苦しい。山形県でただ一つの百貨店だった「大沼」が先月27日、破産した。負債総額は約30億円。記者会見した長沢光洋・代表取締役が破産の引き金として挙げたのが、消費増税だった。「消費税率引き上げ後、売上高が前年比で3~4割減少した。異次元の落ち込みで、一体何が起こっているのかわからないほどだった」
東京商工リサーチによると…