[PR]

 化学メーカーの三洋化成工業(京都市東山区)と京都大は、人工的につくったたんぱく質のスポンジで、糖尿病の影響などによる傷を治す治験を、2020年度に始めると発表した。治験は医療器具として販売するために必要な手続きで、順調に進めば22年度にも販売を始めるという。

 糖尿病などで血流に障害を抱える人は、皮膚が炎症を起こしてえぐれる潰瘍(かいよう)ができることが多い。患部が細菌に感染しやすいため治りにくく、皮膚の移植や人工真皮などでの治療が難しいケースもある。重症化して足を切断する患者は年間1万人いるとされる。

 同社は09年から、皮膚の成分などを含んだ人工たんぱく質「シルクエラスチン」の医療応用を研究。スポンジ状に加工して潰瘍などの傷口に埋め込むと、細菌をブロックし、皮膚を再生する細胞が集まる足場となって治癒を促すことを確かめた。京大病院で傷の治りにくい患者に使ったところ、安全性が確認でき、効果も期待できることがわかった。

 治験は難治性皮膚潰瘍の患者を対象とし、詳細は今後決める。(野中良祐