阪神・淡路大震災の発生直後から被災者の生活を支援してきたNPO法人「よろず相談室」(神戸市)の牧秀一さん(69)が5日、被災者の証言集を作ると発表した。牧さんは昨年、代表を退くことを表明しており、証言集作りを「最後の仕事にしたい」と語った。
震災当時、定時制高校の教師だった牧さんは、神戸市東灘区の自宅で被災。避難所となった近くの小学校で「よろず相談室」を設立した。被災者の孤独死や自殺が相次ぎ、独り暮らしの高齢者を訪ねる活動を続けた。震災で障害を負った人々の支援にも力を注いだ。
震災から20年が過ぎた頃から、話を聞いてきた高齢の被災者が亡くなるようになった。「大切な証言が失われてしまう」と危機感を募らせ、被災者の話を記録し始めた。
インタビューしたのは高齢者や震災障害者ら計22人。撮影時間は計約40時間に上る。了解を得られた15人分を今年3月までに映像に、19人分を来年1月までに本にまとめるという。
牧さんは今年3月末に代表を退くが証言集の完成までは関わるとし、「震災で被災者の人生が変わり、どう前向きに生きようとしたのか知ってほしい」と語った。
朝日新聞社のクラウドファンディングサイト「A―port(エーポート)」(https://a-port.asahi.com/projects/hanshin-syogensyu/)を通じ、資金の一部を6月3日まで募っている。(川嶋かえ)
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