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 就職活動で学生が有利な売り手市場が続く中、企業に入社を断る「内定辞退セット」が人気になっている。手紙の書き方や電話のかけ方を指南するものだが、取り扱う書店や文具店では売り切れが続出。購入者からは「断れてほっとした」という声も聞かれる。

拡大する写真・図版日本法令が出版した「内定辞退セット」。便箋(びんせん)と封筒、内定辞退のアドバイスがセットになっている

半年間、言い出せなかった

 内定辞退セットは昨年12月、東京都千代田区の文具メーカー「日本法令」が売り出した。「私なりに悩んだ末、別業界に進むことを決意いたしました」といった例文を付属の便箋(びんせん)の下に置いてなぞることで、企業への手紙を美しく書くことができる。ほかにメールの例文などもある。

 開発したきっかけは、大学関係者のぼやきだった。「内定辞退の連絡ができない学生がいて、企業側とトラブルになる」。開発部の飯田義久さんは「断る時期、学生と企業の関係などで、方法はさまざまに変わってくるだろう。正解がないものだからこそ、選択肢の一つにしてほしい」と話す。春の入社が迫るこの時期でも、内定を断っていない学生もおり、売れ行きにつながっているという。

 「半年間、辞退の連絡ができませんでした」。東京都内の私立大学に通う4年生の男子学生(23)は、そう打ち明ける。

 インターンシップから参加し、同郷の社長は「入社前には家探しも手伝うよ」と家族のように接してくれた。だが、内定から2週間後、憧れていた大手企業からも内定が出た。

 断らなければいけない。でも言い出せない。男子学生は内定式の直前になって泣きながら社長に電話したという。「人生で断る機会がほとんどなかったから、どうしたらいいのかわからなかった」。そう振り返る。

 法政大学キャリアセンターによると、最近の就職活動の多くは大学3年の6月ごろ、インターンシップを申し込むところから始まる。中小企業の求人倍率も上がっており、企業側も早期に内定を出す。内田貴之課長は「インターンシップで一つの企業と向き合う時間が長いので、辞退を言い出しにくいのだろう。内定をどう辞退していいかという相談は増えつつある」と話す。

■「断れない日本人」 社…

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