拡大する写真・図版ラグビーボールを子どもに贈る企画を主導した白崎雄吾さん(後列左から3人目)。元日本代表主将の廣瀬俊朗さん(前列右から2人目)らの協力を得た

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 ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会のレガシーを子どもたちに残したい――。そんな一人の男性の思いが、W杯開催年にちなんだ「2019個のボールを小学生にプレゼント」という形で実を結んだ。神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場で2日にあったトップリーグのNTTコム―リコー戦。会場には、ボールをもらった子どもたちが楽しそうにパスを交わす光景が広がった。個人の熱意が組織を動かし、実現に至った道のりは。仕掛け人に聞いた。

 プレゼント企画を主導したのは、アスリートのグラウンド外での育成研修などを手がける株式会社ビジネス・ブレークスルー(BBT)の白崎雄吾さん。大学やクラブチームでラグビーをプレーした経緯があり、競技への思い入れは人一倍強い。

 「子どもたちがボールを持てば、この先もラグビーを応援してくれるのでは」。そう思い立ったのは、W杯終了から約1カ月後の昨年12月。NTTコムとリコーで研修を担った経緯もあり、2日の試合での実施を決めた。

 そこから思いもよらぬ課題が降りかかってくる。

 「なぜ、この1試合だけなのか」。まず、トップリーグに平等性の観点から疑問を呈されたという。BBTがリーグパートナーであることや両チームとの関係を丹念に説明し、ここは何とか許諾を得た。

拡大する写真・図版ラグビーボールをもらって喜ぶ子どもたち

 次は、お金だ。

 プレゼントするボールは、初めて楕円(だえん)球に触れる幼い子ども向けに公式球より小さめのサイズに。ただ、表面に細かい粒状の凹凸(おうとつ)が施されていて手が滑りにくい物を選ぶなど「本物感」にはこだわりたい。そうすると経費は約180万円に上る。当初はクラウドファンディングで資金を集めようとしたが、個人に課税されることが判明した。

頼りになった元日本代表主将

 業者との交渉は始まっていた。もう後戻りはできない。「もしスポンサーが集まらなかったら、自腹を切る」と白崎さんは覚悟を決めた。

拡大する写真・図版小学生に2019個のラグビーボールを配るプロジェクトを行い、集合写真に納まるリコーやNTTコム、元日本代表主将の廣瀬俊朗さんら

 ここで頼りになったのが、ラグビー仲間の存在だった。BBTのアンバサダーを務める元日本代表主将の廣瀬俊朗さんの協力も得て、スポンサーは募集から5日で5社が集まったという。白崎さんは言う。

 「『将来のラグビーのため』と…

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