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 約1700年前にあたる弥生時代末ごろの鍛冶(かじ)工房跡が、長崎県大村市今富町の住宅地で発掘された。きりやナイフなどの小型の鉄製品を鍛造していたとみられる。この時代の鍛冶工房跡の発見は、県内では壱岐市のカラカミ遺跡に次いで2例目という。

 調査した大村市教育委員会が6日、報道陣に公開した。場所は市内にある「帯取遺跡」の一部。

 市教委によると、7メートル四方の竪穴式建物跡で鍛冶炉とみられる跡が四つ見つかった。いずれも高熱を受けたことを示す白やオレンジ色に土が変色し、金属反応があった。一隅にある三つは、水を遮るためとみられる溝に囲われていた。棒状の鉄器片や、金属が付着してたたいた跡のある石、研磨に用いたとみられる砥石(といし)なども出土した。

 出土した土器を根拠に、工房の操業時期は弥生時代末~古墳時代初頭(3~4世紀)と断定。炉は下部構造を持たない種類で、あまり高温にできないため、武器などの大型鉄製品は製造できなかったとみられるという。

 市教委の学芸員柴田亮さんは「地域に密着した『ムラの工房』だったのではないか」と話す。周辺で小型の鉄製品が普及していたのは間違いなく、一定規模の集落があった可能性があるという。同時代の鍛冶工房跡は、全国で数十例が確認されているという。

 11日午後1時半から現地で説明会が開かれる。無料、小雨決行。(中川壮)