拡大する写真・図版やりを投げる若生裕太=西畑志朗撮影

[PR]

 8月25日に開幕する東京パラリンピックまで、7日であと200日に迫った。日本代表内定選手が次々と決まる中、晴れ舞台をめざして追い込みをかける選手たちもいる。

 1月下旬、日大の陸上競技場を訪れた。パラ陸上やり投げ(視覚障害F12)の若生裕太に会うためだ。

 8センチ差。日大4年の22歳は昨夏、東京パラリンピック出場枠がかかるパラ陸上の世界選手権出場を小差で逃した。「日本記録だけど……。悔しい」。競技終了後の言葉は今も私の耳に残る。あれから約半年。最後の望みに懸けて練習に励む、彼の思いを改めて聞きたかった。

 「自分の投てきで、勇気や感動を与えたいんです」

 練習前のリラックスした時間だった。トラック内の芝生に座りながら、若生は取材に応じてくれた。東京パラをめざす表情は明るく、口調も滑らかだった。

拡大する写真・図版第97回全国高校野球西東京大会に日大鶴ケ丘の主将として出場した若生裕太=本人提供

 若生は日大鶴ケ丘高(東京)時代は高校球児。3年時は主将を務めた。目に異変を感じたのは大学2年の秋だった。野球サークルでプレーを続けていた時、簡単なノックに捕りづらさを感じた。「おかしい。そう思って左目を閉じたら、右目の真ん中がぼやっとしていた」

 視力が急激に低下する「レーベル遺伝性視神経症」と診断された。半年後には両目とも視野の真ん中が見えなくなった。

 本人以上に心を痛めたのが、母の佳奈子さん(49)だった。母系遺伝の病気だったからだ。「自分を責めました。なんで迷惑ばかりかけるのか。息子には、もう謝るしかなかった」

拡大する写真・図版昨年の日本パラ陸上選手権で若生裕太(右)の応援に駆けつけた母の若生佳奈子さん

 若生は視覚障害者として生きな…

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

【5/12まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら