拡大する写真・図版東京地裁立川支部が入る庁舎=東京都立川市

[PR]

 生後1カ月の長女を揺さぶり頭に大けがを負わせて死なせたとして、傷害致死罪に問われた父親の中馬隼人被告(43)の裁判員裁判で、東京地裁立川支部は7日、無罪(求刑懲役8年)の判決を言い渡した。竹下雄裁判長は「揺さぶりの暴行を加えたとは認定できない」と述べた。

 中馬被告は2017年1月13日深夜、東京都町田市の自宅で、妻の入浴中にベビーベッドにいた長女ひかりちゃんを揺さぶって傷害を負わせ、蘇生後脳症にもとづく肺炎で3月22日に死なせたとして逮捕・起訴された。中馬被告は一貫して無罪を主張していた。

 判決は妻の証言を踏まえて、中馬被告は長女に暴力をふるったことがなく、入浴の前後で長女の体勢や布団のかけ方に変化はなかったと指摘。入浴中に激しく泣き声をあげるようなこともなく、20分間のうちに突然暴力をふるう理由が見当たらないと述べた。

 乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)の典型とされた急性硬膜下血腫、眼底出血、脳浮腫の3症状と肋骨(ろっこつ)骨折については、複数の医師の証言から、3症状は揺さぶり以外でも説明できると判断。骨折は中馬被告が行った心臓マッサージで生じたとしても矛盾はないとし、「常識に照らして揺さぶりによって傷害を負ったと認めるには合理的な疑いが残る」と結論づけた。

拡大する写真・図版乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)

 中馬被告は17年10月に逮捕・起訴され、公判直前の19年11月に保釈されている。判決言い渡し後、竹下裁判長は「長い時間がかかってしまいました。(判決の結果を)ひかりちゃんに報告して、これからどう生きて行くのか十分に考えてください」と告げた。(田中紳顕、阿部峻介)

理論唱えた英出身の医師「仮説に過ぎない」

 厚生労働省は2013年に児童相談所向けに改訂した手引きで、密室で乳幼児に3症状と肋骨(ろっこつ)骨折などが生じた場合、SBSを第一に疑うよう呼びかけている。17年度に児相を通じて把握した虐待死は52人。SBSやその疑いがあるとされた子は5人いた。

 一方、厚労省のこうした考え方には国内外で疑問の声もあがっている。

 1971年にSBSの基本理論…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。

980円で月300本まで2種類の会員記事を読めるシンプルコースのお申し込みはこちら