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 新型コロナウイルスによる肺炎が各国に広がっている。中国が公表するウイルスの感染者数は毎日のように増え続け、終息する気配は見えない。振り返れば、人類の歴史は、こうした感染症との闘いの歴史でもある。マスクやガウンで感染を防ぐしかなかった時代から、人類は「敵」であるウイルスや細菌をつきとめ、ワクチンや治療薬作りに力を入れた。制圧に成功したものもある一方で、いまもたびたび、未知の病原体による新興感染症の流行が繰り返されている。

新型肺炎、SARSやエボラとの違いは

 新型コロナウイルスは、中国・武漢市(湖北省)の市場で野生動物から人に感染し、人から人に感染するに至ったとみられている。ウイルス学が専門で、感染症の歴史に詳しい山内(やまのうち)一也・東京大名誉教授によると、人間の体内にいるウイルスは、元はすべて動物から来ており、歴史的にみれば、野生動物との接触によって人に感染するウイルスの出現は繰り返されてきたという。

 山内さんは「新型コロナウイルスの感染拡大の特徴は、ウイルスそのものより、人口が密集し、人やモノが国境を越えて地球規模で移動するグローバル化がかつてなく進む中国で起きたことにある。SARS(重症急性呼吸器症候群)や、アフリカのエボラ出血熱のときとは違う」と話す。

 SARSはコロナウイルスを病原体とし、2002年から03年にかけて香港で流行した。今回の新型コロナウイルスとよく比較される。世界保健機関(WHO)によると、02年11月からの9カ月間に29の国・地域に広がり、世界で約8千人が感染、約800人が死亡した。

 一方、今回の新型コロナウイルスは1カ月余りで、中国国内だけでも約3万7千人が感染、800人以上が死亡し、死者数はSARSを上回った(9日、中国国家衛生健康委員会発表)。

 グローバル化の指標はさまざまだが、例えば人の動きを海外旅行客の数で比べてみると、SARSが流行した03年当時は世界全体で約7億人だったのに対し、18年には14億人を突破、倍増している(国連調べ)。18年の出国者数を国別でみると、中国が約1億4300万人で最も多く、2位のドイツ(1億800万人)を大きく引き離している(OECD調べ)。

かつてはマスクに香辛料を入れ…

 新興感染症の世界的な大流行としては、1918年から19年にかけて5千万人以上の死者を出したインフルエンザ「スペインかぜ」がよく知られている。第1次世界大戦の最中で、最初に米軍の兵士の間で流行したものが、船で欧州に派遣された兵士を介して、戦場で各国の軍隊へ広がったと考えられている。

 歴史上、大流行した感染症とし…

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