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 生の尊厳を求める水俣病患者たちの姿を描いた小説「苦海浄土」で知られ、2018年2月に90歳で亡くなった作家石牟礼道子さんをしのぶ「三回忌の集い」が9日、熊本市東区の真宗寺で開かれた。石牟礼道子資料保存会の主催。

 本堂に飾られた遺影を前に、集まった約80人が手を合わせた。親交のあった詩人の伊藤比呂美さんは石牟礼さんの詩を朗読して、「キツネや魚、海と語り合って作品を書いた人だった。自然の中で生きた石牟礼さんに学ばせてもらった」と話した。作家で音楽家の坂口恭平さんはギターを手に、石牟礼さんの書き残した言葉に節をつけて弾き語りをした。

 50年以上にわたって編集者を務めた思想史家の渡辺京二さんは「晩年のパーキンソン病との闘いは苦しいものだったが、いつも机に向かって何か書いていた。最後まで作家だった」と思い出を語った。

 石牟礼道子資料保存会によると、しのぶ集いは「不知火忌」と名づけられ、来年以降も命日である2月10日前後に開催するという。(上原佳久)