[PR]

 新型コロナウイルスによる肺炎が広がる香港で、中国本土から入境した人を2週間隔離する措置に「抜け穴」が多いとの批判が高まっている。買い物に出かける人がいると報じられるなど、当局の監視の緩さや隔離の効果を疑問視する声が続出。民主派の立法会(議会)議員らは9日、政府に対する抗議デモを実施した。

 香港紙・明報によると、隔離措置が導入された8日、妻とともに香港に戻った男性は取材に「中国本土では外出しなかったので感染していない」と強調。記者が追跡すると、男性は隔離場所である自宅へは直行せず、夫婦でバスや電車に乗り、卵や野菜などの買い物をした。そのため、入境から2時間以内に隔離場所(自宅)に到着するとの指示を守らなかったという。

 また、中国本土から香港に戻った別の男性は、今後について「通常通り出勤する。隔離に応じるつもりはない」と取材に話し、街へ消えていったという。

 香港政府が発表した隔離措置では、発熱などの症状のない香港市民や中国本土出身者は原則、検疫施設ではなく、自宅やホテルでの滞在を認められている。ただし、2週間は外出が禁止され、違反すると最高2万5千香港ドル(約35万円)の支払いと禁錮6カ月の罰則が科せられる。

 香港政府は入境者の一部を抽出し、抜き打ち訪問を実施するなどして、隔離措置を守っているか確認するとしている。ただ政府は入境者について「単に中国本土から来ただけで感染者ではない」と説明し、全員への確認作業は不要との立場だ。これに対し、民主派は「ニセ隔離措置」と批判している。(香港=益満雄一郎)