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【答える人】永原章仁さん 順天堂大学医学部教授(消化器内科)

 68歳女性。数年前から逆流性食道炎をくり返しています。胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害剤を使って症状が治まりましたが、様子を見ながら薬をやめると、3カ月ほどでのどのヒリヒリ感や息苦しさの症状が現れます。完治する方法はないでしょうか。(京都・K)

 Q どんな病気ですか。

 A 食道に逆流した胃酸が長くとどまって、胸焼けや炎症が起きます。有病率は10%ほどで、高齢でよくみられます。内視鏡検査で炎症を確認しますが、わずかな酸に敏感に反応してしまう人などでは、炎症がなくても症状を感じます。

 Q 病気の原因は。

 A 高齢になると、食道から胃に食べ物を運ぶ働きが弱まり、唾液(だえき)の分泌も減って、逆流した胃酸を胃に戻しにくくなります。また、食道は横隔膜の上、胃はその下にありますが、人によっては、胃の一部が横隔膜の上にはみ出す「食道裂孔ヘルニア」を持っています。ヘルニア部分に胃酸がたまって、食道に逆流しやすくなります。

 Q 治療法は。

 A プロトンポンプ阻害剤が第1選択です。胃酸の分泌を抑え、8割前後の人で効果があります。

 Q 完治しませんか。

 A 内服治療で治っても、薬をやめるとほとんどの人で再発します。重い炎症が続くと、食道が狭くなって食べ物が通りにくくなる恐れもあるので、状態に合わせて薬を使い続けることになります。症状が治まれば、薬を減らすこともあります。減らすと十分な効果が得られなかったり、急にやめて症状が悪化したりすることもあるため、自己判断せずに主治医と相談して進めて下さい。

 Q その他に注意点は。

 A お酒や脂っぽいもの、甘いものを控え、寝る2時間前までに食事を済ませる生活習慣も症状を和らげる手段です。薬が効かなかったり、症状が強かったりすれば、胃酸の逆流を防ぐ手術も選択肢になります。

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