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 東北地方で今年に入ってクマの目撃が相次いでいる。本来は冬眠しているはずが、異例の暖冬で、冬眠に入れなかったり目が覚めたりしているとみられる。専門家は「冬眠期のクマは刺激を受けると凶暴になる恐れがあるため、近寄らず警察などに連絡することが重要だ」と話す。

 山形県内で1月にクマが目撃されるのは、7年ぶりのことだった。1月9日午後、山形県南陽市の中川小学校近くで、1年生の女子児童が下校中に体長1・2メートルほどのクマ1頭を目撃し、近くの老人ホームに逃げ込んだ。クマは山の方へ走り去ったという。目撃後1週間ほどは保護者や教諭らが児童の登下校に付き添った。大地浩幸教頭は「1月にクマが現れるとは」と驚く。

 本州に生息するツキノワグマは、エサの少ない12月から4月ごろまで、体力を温存するため冬眠する。

 だが東北各県で目撃が相次ぎ、1月は岩手で9件、山形で5件、宮城で4件、青森、福島で3件ずつ、秋田で1件あったという。

 野生動物の保護や管理に詳しい東北芸術工科大学(山形市)の田口洋美教授(環境学)は、各地で1月の平均気温が観測史上最高を記録した暖冬の影響があるとみる。「より落ち着いて眠れる場所を探し回っているのではないか。暖冬が続けば、冬眠しないクマが増える可能性がある」と話す。(宮谷由枝)