拡大する写真・図版おそろいのトレーナーを着てくつろぐ千沙さん(右)、京子さん(左)と2歳7カ月の娘=2020年1月16日午前11時52分、大阪府守口市、花房吾早子撮影

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 同性カップル13組が同性婚の合法化をめざし一斉提訴してから14日で1年。同性カップルの関係を公的に認める「パートナーシップ制度」を1月末時点で全国34自治体が導入するなど、夫婦と同等の関係と考える意識は広まりつつある。ただ、結婚できず、夫婦と同じ法的保障がない状態に変わりはなく、課題も多い。

同性婚訴訟とは
同性カップルに婚姻を認めないのは憲法が保障する「婚姻の自由」(24条)と「法の下の平等」(14条)に違反するとして、この状態を放置している国に賠償を求めている訴訟。昨年2月14日、計13組の同性カップルが東京、大阪、名古屋、札幌の各地裁に一斉提訴した。現在は福岡を加えた5地裁で争われている。

広がりつつある「パートナーシップ制度」

 同性カップルの法的保障を求める「同性パートナーシップ・ネット」(東京)によると、1月末現在、全国の34自治体にパートナーシップ証明の制度がある。

拡大する写真・図版パートナーシップ証明制度を始めた自治体

 このうち23自治体は、同性婚訴訟が4地裁に起こされた昨年2月14日以降に制度を導入した。証明を受けるカップルも増えており、NPO法人「虹色ダイバーシティ」(大阪市)によると、今年1月20日現在、全国で759組に上る(31日に交付を始めた大阪府を除く)。

 証明は、同性カップルの関係を公的に認め、行政や企業で夫婦と同等の対応をするよう求めるものだ。公営住宅への入居申し込み、公立病院での病状説明や手術の同意……。夫婦や血縁者に限られてきた場面で活用できる。航空会社のマイレージ共有や携帯電話の家族割引といったサービスの対象に同性カップルを含める企業も出てきた。

 2015年、全国に先がけて制度を始めた東京都渋谷区が証明を受けた人に聞いたところ、「職場の規定が変わり、結婚祝い金がもらえた」「生命保険金の受取人を同性パートナーに変更できた」などの回答があった。「家族や同僚にカミングアウトするきっかけになった」「納税している区に認められ、自分も区の一員だと思えた」と心の支えとなっている様子もうかがえた。

心の支え、一方で不安も

 ウェディング会社員の七崎良輔さん(32)とメーカー社員の古川亮介さん(36)は昨年4月、江戸川区から証明を受けた。

 七崎さんは「それまではマンションを共同名義で買うことや保険金の受取人になることを、男性カップルを理由に断られるのが怖くて言い出せなかった。今は強気でいられる」と話す。

 一方で、証明の活用をためらう人も少なくない。

 大阪市北区に住む編集者の男性(62)と営業職の男性(59)は昨年3月、市から「パートナーシップ宣誓書受領証」を受け取った。編集者の男性は緊急時に備え財布に入れて携帯するが、営業職の男性は持ち歩かない。同性愛者だと勤め先で明かしておらず、「落としたら困る」という。自らの性的指向や性別が意図せず他人に知れ渡る「アウティング」を恐れ、窓口へ申請に行けない人もいる。

お産に立ち会えるのは「親か夫」

 ただ、自治体の証明は、民法や戸籍法上の「婚姻」と認めるものではなく、法律が夫婦に保障する権利を持つことはできない。子どもの共同親権もその一つだ。子育て中の同性カップルは子どもをどう守るか悩んでいる。

拡大する写真・図版娘とテーブルの上に手を重ね合わせて遊ぶ千沙さん(一番下)と京子さん=2020年1月16日午前11時46分、大阪府守口市、花房吾早子撮影

 大阪府守口市に住む自営業の京…

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