元五輪女王の悲痛な叫び 生活困窮「背が高く黒人で…」

有料記事

波戸健一
[PR]

 金メダルを後悔する時がある。仕事がない。貯金を崩して生活している――。そんな五輪女王の悲痛な叫びが、フランス柔道界で波紋を広げている。大衆紙「パリジャン」で窮状を訴えたのは、2016年リオデジャネイロ五輪の柔道女子78キロ超級で金メダルを獲得したエミリ・アンデオルさん(32)だ。

 アンデオルさんは14年の世界選手権で3位に入り、リオ五輪では欧州選手で初めて女子の最重量級を制覇。フランス西部ボルドー出身で、名前の「エミリ」からファンには「ミミ」の愛称で親しまれた。17年世界選手権の7位を最後に、国際舞台から退いていた。

 昨年12月3日の同紙電子版のインタビュー記事で、アンデオルさんは「オリンピックで勝てば少しは生活が楽になると思っていた。ときどき、勝ったことを後悔する」と涙ながらに打ち明けた。引退後は仕事が見つからず、貯金を使うしかなかった。「柔道を頑張ってきた。(失業した)自分の状況を自分で認めたくはなかった。とてもつらい」

 フランスでは柔道は人気スポーツ。今月8、9日にあった国際大会グランドスラム・パリはチケットが完売するほど盛況だった。男子100キロ超級で五輪2連覇中のテディ・リネールの年収は約6億円とも言われ、ビジネスマンとしても成功している国民的ヒーローだ。

フランスでは柔道は人気のスポーツだ。同じ重量級でも、男子100キロ超級で五輪2連覇中のリネールの年収は約6億円とも言われている。何が違うのだろうか。

 ただ、アンデオルさんが置か…

この記事は有料記事です。残り715文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

春トク_2カ月間無料