拡大する写真・図版赤ちゃんは母親の指をぎゅっと握っていた=2019年9月3日、盛岡市内、太田原奈都乃撮影

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 岩手県警の少年補導職員、木井さくやさん(52)が少女と初めて会ったのは、盛岡東署の一室だった。万引きで補導されて半年。最近の生活ぶりを聞くと、「授業についていけない」「頼れる人がいない」と、14歳の少女は、遠慮なく悩みを打ち明けてきた。

 まっすぐな子だ。それが第一印象だった。

 警察を毛嫌いする子が多いなか、少女からはたびたび電話がかかってきた。平日の昼間しか電話に出られないと伝えても、朝出勤すると、留守電に「かけ直すね」とメッセージが残されていた。

 先生のこと、友だちのこと。少女と交わす多くは、とりとめもない話だった。ただ、ときどき母親のことが話題になった。叱られた。話を聞いてくれない。少女はけんかのあげく、家を飛び出し、深夜徘徊(はいかい)を繰り返していた。

 中学を卒業した少女は県外に出て、アルバイトをしながら各地を転々としていた。木井さんは手紙を送り、「困ったことがあったらいつでも連絡してね」と伝え続けた。お母さんとの関係を取り戻すことができれば、少女は変わっていける――。10年あまりの経験からそう感じていた。

 〈どうすればいいかな〉

 少女から初めて返信が届いたの…

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