拡大する写真・図版店出しの日の朝、目に赤を入れた市琴さん。おぼこさ(幼さ)を出すため、眉にも赤を入れる=京都市中京区、佐藤慈子撮影

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 京都の花街では、少し前まで中学や高校に通っていた少女たちを、舞や踊りを披露し、客をもてなす「プロ」の駆け出しである舞妓(まいこ)に育てる。その間、わずか1年ほど。短期間で10代の子を変身させる花街の人材育成システムとはどんなものなのか。晴れてデビュー(店出し)を迎え、芸の道に踏み出した青森出身の新人舞妓と、15歳の少女を支える屋形(置屋)のおかみさんら「家族」の姿を追った。

青森育ちの新人、デビューの日

拡大する写真・図版店出しのお祝いの目録=京都市中京区、佐藤慈子撮影

 1月下旬、先斗町(ぽんとちょう)の狭い路地伝いにある屋形の「勝見」は、朝から活気づいていた。昨春から住み込みで見習いを続けてきた市琴(いちこと)さん(15)がこの日、店出しをする。そのお祝いや準備の手伝いに、関係者がひっきりなしに訪れていた。玄関には、ひいき筋の客や歌舞伎役者などから贈られた「目録」がずらり。門出のはなむけに、宝船やタイといった縁起物が描かれている。

拡大する写真・図版この世界での姉となる芸妓の市楽さんに、化粧をしてもらう市琴さん=京都市中京区、佐藤慈子撮影

 店出し当日、舞妓は黒紋付きの正装でお茶屋などにあいさつ回りをする。2階で市琴さんの支度を手伝うのは、ねえさん芸妓(げいこ)の市楽(いちらく)さん。舞妓は店出しの際、この世界で「姉」となる先輩芸妓に引いてもらう。市楽さんとは、関係者立ち会いの下、先斗町歌舞練場3階にまつられた神棚の前で杯をかわし、姉妹のちぎりを結んだ。市琴さんの「市」の字も、市楽さんからゆずり受けた。

 はじめのうちは、市楽さんに付き添われてお茶屋の座敷に出向き、名前や顔を客に覚えてもらう。新米の市琴さんにとって、この世界のしきたりを教え、自分を引き立ててくれる姉は重要な後見役だ。

拡大する写真・図版着替える前に、お祝い膳に箸を付ける。姉の市楽さん(左)が、タイの姿焼きを取り分け「たくさん食べておきなさいよ」=京都市中京区、佐藤慈子撮影

■活発な末っ子、履歴書…

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