【いきもの目線】アフリカタテガミヤマアラシ@東武動物公園=2019年7月17日、竹谷俊之撮影
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 バサバサと音を出し、トゲを逆立てて威嚇する。とげとげしい「防護服」に覆われたネズミの仲間、アフリカタテガミヤマアラシだ。肉食獣も恐れるヤマアラシを東武動物公園(埼玉県宮代町)の協力で、360度動画撮影をした。

 飼育展示場をのぞきこむと、数匹のアフリカタテガミヤマアラシがうつぶせになって休んでいる。よく見ると、つぶらな瞳と大きめの鼻がカピバラのようで愛敬ある顔付きをしている。安心しきっているのだろうか。トゲも逆立っていない。

 「ガタン」。物音に驚いたのか、クジャクのようにトゲを広げて歩き出した。飼育員の村上夏実さん(26)によると、アフリカタテガミヤマアラシは外敵に狙われるとトゲを逆立てて威嚇し、防御も併せて「攻撃」もするという。後ろ向きで突進して体当たりし、トゲを刺して逃げる。トゲは簡単に抜け落ちるようにできているという。

 「実はこのトゲ、体毛なんです。毛が変化したもので、抜けても生えてきます」と村上さん。抜け落ちていたトゲを触らせてもらった。プラスチックのような質感で堅く、毛先は鋭くとがっている。30センチほどの細長くしなるトゲと、短くて硬いトゲがあり、アルミ缶やゴム長靴を貫通するほどだという。しかし、頭部や腹部にはトゲが無く、ヒョウなどの天敵に狙われることもあるという。

【動画】アフリカタテガミヤマアラシのメイキング動画=竹谷俊之撮影

 アフリカタテガミヤマアラシは、アフリカ中部から北部の森林や草原、岩場などに生息。頭の後ろから背中にかけてたてがみのような長い毛がある。夜行性で、日中は岩陰や巣穴で過ごす。草食性でかむ力が強く、樹皮や木の根をバリボリと食べる。トゲに毒は無く、飛ばすこともないという。(竹谷俊之)