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「認知症予防に口のケアを」愛知の歯科医師ら、本を寄贈

松永佳伸
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 認知症の人やその家族を支援しようと、愛知県豊明市の歯科医師でつくる愛豊歯科医師会豊明支部は、市内に設置されている認知症カフェ6カ所に認知症と歯や口の健康に関する絵本と専門書を寄贈した。入れ歯の適切な手入れや口の中の健康を保つことで、認知症予防や進行抑制に役立つと知ってもらいたいという。

 同支部に所属する前田デンタルクリニック院長の前田慎二さんは、市の認知症初期支援チームのメンバーとして活動する中で、認知症の家族から「口の手入れができない」「歯科医院に連れて行けない」という相談を受けた。

 「支部として何かできることはないか」と、三浦英樹支部長に持ちかけたところ、愛豊歯科医師会として認知症の人と家族を支援することになった。

 本の寄贈はその初めての取り組み。認知症の人やその家族がわかりやすいように絵本と初心者向けの専門書を3冊選んだ。本人や家族が集う認知症カフェの会場に置いて読んでもらう。

 硬いものをかめなくなった、食べこぼす、食べものが気管に入ってむせるなど、年をとると気になってくる口のトラブルは「口腔(こうくう)機能低下症」と呼ばれ、全身の老いのサインでもあるという。

 豊明市役所を訪れて小浮正典市長に寄贈した。前田さんは「歯の本数が減っていくと認知症になりやすくなるという報告もある。食べ物をかむ行為は脳の活性化につながる」、三浦支部長は「口の中の健康管理が大切なことを知ってほしい。患者や家族と一緒に学びながらいい方向に進んでいきたい」と話した。(松永佳伸)

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