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 来年1月に実施される大学入学共通テストで導入予定だった国語の記述式問題について、問題作成に関わった複数の委員が昨年、民間の出版社が出した記述式に関する問題集の作成に関わっていたことが、関係者への取材でわかった。利益相反の疑いが指摘され、委員は辞任したという。

 関係者によると、問題とされたのは、受験生ら向けに国語の記述式問題に関して10の問題例と解説などが記された書籍。この本の執筆に、共通テストを運営する大学入試センターが設置した国語問題を作成する分科会の複数の委員が関わっていた疑いがある。委員は大学教授ら有識者から選ばれ、守秘義務が課せられている。事情を知る関係者の間で問題視され、関わっていた委員は辞任したという。

 大学入試センターは朝日新聞の取材に対し、「作問に関することは秘密事項なので、お答えできない」としている。センターを所管する文部科学省の幹部は「事実なら利益相反の疑いがあり、大変な問題。センターに事実関係を確認している」としている。

 共通テストの記述式問題をめぐっては、「思考力・判断力・表現力」を測る大学入試改革の目玉として、国語と数学で3問ずつ出題することになっていた。受験生約50万人の答案をみる採点者の質の確保や、受験生の自己採点の難しさなどが問題視され、昨年12月に見送りが決まった。(矢島大輔)