拡大する写真・図版田嶋陽子さん

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 1990年代、テレビに出ていた「田嶋陽子」は、男性論客相手に激しく詰め寄る「怒れるフェミニスト」だった。テレビ向けのキャラクターとして消費されていた当時のイメージが、変わりつつある。人気作家による雑誌の特集が話題になり、旧著が復刊、トークイベントは即日完売という人気ぶり。なぜいま再評価されるのか。理由を探った。

スタジオでおじさんたちとけんか?

 フェミニズム専門誌「エトセトラ」は昨年11月、特集「We♥LOVE 田嶋陽子!」を掲載した。作家の山内マリコさん(39)と柚木麻子さん(38)が責任編集を務め、英文学者で女性学研究者の田嶋陽子さん(78)を多角的に紹介した。北村紗衣、津村記久子、斎藤美奈子や若竹千佐子と、年代も肩書も多様な執筆陣が文を寄せている。

 田嶋さんの特集をつくりたい、と提案したのは山内さんだ。2人はともにテレビっ子で、10代の頃、田嶋さんが出演していた「ビートたけしのTVタックル」や「笑っていいとも!」を見て育った。

拡大する写真・図版田嶋陽子さん(中央)と山内マリコさん(左)、柚木麻子さん

 当時を振り返って、山内さんは「スタジオでおじさんたちとけんかして、煙たがられて、最後に負けを喫する。黙っていた方がいいとあしき学習をしていました」。

 その認識は田嶋さんの本を手に取り、百八十度反転する。『愛という名の支配』(92年刊)は、田嶋さんが母から受けていた抑圧を起点に、社会構造を自身の体験を通して解き明かした代表作。新潮文庫で昨秋復刊された。

拡大する写真・図版田嶋陽子さんを特集した『エトセトラ』と復刊された『愛という名の支配』

 田嶋さんの母は病気で寝たきりで、ベッドから娘をものさしでたたき、厳しくしつけた。

 「こんな不器量な子は産んだおぼえがない」

 「いくら勉強ができたって、人…

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