聞き手 編集委員・塩倉裕
拡大するChim↑Pom 卯城竜太さん=2020年2月5日、東京都新宿区、飯塚悟撮影
広島で空に「ピカッ」の文字を描いたり、震災被災地の若者が「放射能最高」と叫ぶ光景を作品にしたり……。お騒がせ集団と呼ばれつつ国際的に活躍してきた芸術家集団「Chim↑Pom(チン←ポム)」。リーダー格の卯城竜太さん(42)は、「公」から「個」が消える時代になってきたと警告する。どういうことか。
――世界のアートシーンで元気に暴れ回り、お騒がせ集団とも呼ばれる若者たち。そんなイメージのあったChim↑Pomも、もう結成15年になるのですね。
「ええ。でも、埋まっている地雷を踏むような姿勢は今も変わっていません。考えすぎて行動しないよりは、迂闊(うかつ)なぐらいがちょうどいいと思うんです。そこにこそいろいろな可能性があるので」
――渋谷センター街で捕まえたドブネズミの剝製(はくせい)を「ピカチュウ」にしたり、渋谷駅の岡本太郎の壁画に福島第一原発事故を想起させる絵を付け加えたり……。舞台の多くは街、ストリートでした。
「公共圏でアートをしていると『公』の問題を考えさせられるようになります。街や公道……公共とは誰の場所なのか、と」
――メディアで広く注目されたのは2008年でしたね。飛行機から煙を出して原爆ドームの上空に「ピカッ」という文字を描き、「被爆者への配慮を欠く」と批判されました。事前告知を徹底すべきだったと謝罪しています。
「一瞬にして消えていく文字で…
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