[PR]

 新型コロナウイルスの感染拡大が続くクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号について、世界保健機関(WHO)は17日、「船という環境で感染の予防を確実に実行するのは非常に難しい」との見解を示した。

 WHOで感染症対策を担当するシルビー・ブリアン氏が記者会見で語った。難しい理由について「管理するのが難しい多くの要因があるからだ」とし、「今回のウイルスに限らず、ノロウイルスなど別のタイプの感染でも同様だった」と説明した。

 そのうえで、「船内の人たちを保護するのに最善の対策を講じるのに加え、ウイルスの封じ込めという目標を守るため、日本の当局や船の医療担当者と密接に連携している」と述べた。

 また、WHOの緊急対応責任者マイク・ライアン氏は、感染が拡大するアジアなどへのクルーズ船の渡航禁止を提案すべきかと問われ、「症例の大部分は中国国内だ。湖北省以外では、この流行が影響を及ぼしているのは非常に小さな割合の人たちだ」と、否定的な見方を示した。「中国国外では市中感染が観察されていない」とも述べ、世界的な流行の拡大を意味する「パンデミック」には当たらない、とした。

 新たな感染の報告は減っているが、テドロス・アダノム事務局長は「とても慎重に解釈する必要がある。この傾向が続くかどうかを判断するのは時期尚早で、すべてのシナリオを検討している」と話した。

 テドロス氏は、今回のコロナウイルスによる肺炎(COVID―19)について、中国政府が明らかにした患者4万4千人以上のデータの分析から「重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)ほど致命的ではないようだ」と指摘。80%以上の患者は軽い病状で回復しており、肺炎や呼吸困難など重症になるのは14%程度、呼吸器不全、敗血症性ショック、多臓器不全などで重篤になるのは5%程度、致死率は2%とした。年齢が高くなるほど死亡リスクは上がり、子どもの感染は比較的少ないという。(ジュネーブ=下司佳代子)