【動画】STU48の薮下楓さんと沖侑果さん、和ろうそく作りを見学=西田堅一、安冨良弘撮影
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 瀬戸内7県を拠点に活動するアイドルグループ「STU48」と各地の魅力を紹介する「瀬戸リスト」。沖侑果さん(20)と薮下楓さん(19)は、かつて「木蠟(もくろう)」生産で栄えた愛媛県内子町で、歴史ある町並みを歩き、木蠟で作る和ろうそくのやわらかな炎に見入った。

拡大する写真・図版歴史のある家屋が保存されている、八日市・護国地区の町並みを歩くSTU48の沖侑果さん(左)と薮下楓さん=愛媛県内子町、安冨良弘撮影

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 「わー! おしゃれー!」。2人の声が弾んだ。旅のスタートは、八日市・護国の町並み保存地区にある古民家ホテル「久(ひさ)」。江戸末期に建てられた土蔵造りの建物をリノベーションしたものだ。モダンな内装が早速気に入った様子の2人。薮下さんは「ここにずっと住めたらいいのに」と笑顔で話し、部屋をきょろきょろと見回した。

 リビングには、掘りごたつのように床が一段下がった場所がある。ソファに腰掛けた沖さんは「あ、床があったかーい」。床暖房に気づいて顔をほころばせた。この日は風が強く、外は寒かった。土蔵の面影を残す厚い壁に囲まれた暖かい部屋で、しばし寒さを忘れてくつろいだ。

 「はーい、お待たせしました」。ホテルのチーフ水口由美子さん(50)が朝食を運んできた。「和食が一番好きなんですー」と大喜びの薮下さん。メニューは、おからを酢でしめたアマギ(イボダイ)で巻いた「丸寿司(まるずし)」やじゃこ天など、南予の伝統料理。地元米のご飯と、内子の麦みそで作ったみそ汁と一緒にいただきます。

拡大する写真・図版古民家ホテル「久」で朝食をとる2人

 沖さんは「健康になれるね」とニッコリ。薮下さんも「絶対そうだよ。こんな朝ご飯っていいね」と食べ始めた。「落ち着く……」「味わっちゃうね……」。もはや食レポそっちのけで、黙々と味わった。

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 ホテルを出た2人は町並保存地区へ。漆喰(しっくい)が作る格子模様の海鼠(なまこ)壁や、木組みの出格子を持つ古い建物が並ぶ。沖さんが「電話ボックスも和風だったよ」と話すと、薮下さんは「町全体が、めっちゃ日本って感じだね」。独特の表現で応えた。

 この古い町並みは、江戸~大正時代、町が木蠟生産で栄えたころの名残。かつての木蠟商家の建物「木蠟資料館上芳我(かみはが)邸」を訪ね、木蠟の作り方や木蠟生産の歴史を学んだ。

 木蠟はハゼノキの実から作られ、和ろうそくや化粧品の原料になる。学芸員の小野翠(みどり)さん(34)が「実から搾り取ったウグイス色の生蠟(きろう)を日光にさらすと、人間と違って白くなります」と生蠟と白蠟を見せて説明。2人は「へー、本当だー」と声をそろえた。

 2人は「台唐臼(だいがらうす)」を使う作業を体験。杵(きね)を足踏みで動かし、ハゼノキの実を粉にする。沖さんは加減がつかめず「これで合ってる?」と聞きながら、足踏みを繰り返す。薮下さんが「エンドレス。めっちゃ地道やんね」とこぼした。

拡大する写真・図版足踏みの臼を使って、ろうそくの原料となるハゼノキの実を砕くSTU48の薮下楓さん(右)と、見守る沖侑果さん=愛媛県内子町の木蠟資料館上芳我邸

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 2人は、近くの「大森和蠟燭屋」にも足を運んだ。店にともる和ろうそくの明かりに「きれーい!」。女将の大森克子さん(61)が「和ろうそくは江戸時代から1本ずつ手作り。西洋ろうそくと違ってすすが少なく、すーっとやさしく伸び上がる炎が特徴です」と教えてくれた。

 工房では、6代目の大森太郎さん(70)と7代目の亮太郎さん(33)が作業中だった。熱した木蠟を手に取り、和ろうそくの表面をさすってつや出しの作業をする亮太郎さん。2人は「熱くないんですか」と心配したが、「お風呂みたいですよ」と答えた。沖さんは「すごい。手間がかかってるんだ」と感心しきりだった。(照井琢見)

拡大する写真・図版7代目の大森亮太郎さん(右)から、間近で和ろうそく作りを見せてもらうSTU48の沖侑果さん(左)と薮下楓さん=愛媛県内子町の大森和蠟燭屋、安冨良弘撮影

拡大する写真・図版STU48の薮下楓さん

 やぶした・ふう(19) 大阪府出身。アイスクリームが大好きだけど、溶けたアイスは嫌い。「溶ける前に食べきりたい。STUで一番食べるの早いです」

拡大する写真・図版STU48の沖侑果さん

 おき・ゆうか(20) 岡山県出身。あさのあつこさんの小説が好きで「バッテリー」は何度も読み返す。「最近は大人の登場人物に共感しながら読んでます」