【動画】STU48の沖侑果さんと薮下楓さん、芝居小屋の「仕掛け」を体験=西田堅一、安冨良弘撮影
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 瀬戸内7県を拠点に活動するアイドルグループ「STU48」と各地の魅力を紹介する「瀬戸リスト」。古い町並みの残る愛媛県内子町を訪ねた沖侑果さん(20)と薮下楓さん(19)。大正時代の芝居小屋「内子座」で、舞台に隠された“仕掛け”を体験した。

拡大する写真・図版100年以上続く芝居小屋、「内子座」の舞台に立つSTU48の沖侑果さん(左)と薮下楓さん=愛媛県内子町、安冨良弘撮影

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 「うっ、さむう……」。薮下さんがつぶやいた。冷たい風が吹き付ける中、2人が立ち寄ったのは、道の駅「内子フレッシュパークからり」。近くにデートスポットにもなるつり橋「からり橋」があると聞いてやって来た。

 頑丈そうな橋を見て、薮下さんは「結構しっかりしてますね」と余裕そうな顔で渡り始めた。「すごい自然豊か」と話して渡り始めた沖さんが、橋の上でジャンプ。薮下さんが「ゆれる、ゆれるよ。足元も透けて見える。ひいー」と声をあげると、沖さんが「落ちたらやばいね」と笑った。

拡大する写真・図版「内子フレッシュパークからり」のつり橋を渡り終えた2人

 デートスポットを楽しんだ2人。でも、やっぱり寒かった薮下さん。温かいショウガ湯を飲んで一息ついた。「あ、生き返ったかも……」

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 メインの訪問地の「内子座」に着いた2人。1916(大正5)年、娯楽の拠点として町の経営者有志が建てた芝居小屋だ。木造2階建て、瓦ぶきの「入り母屋造り」と呼ばれる純和風様式の建物が珍しいのか、スマホのカメラで写真を何枚も撮っていた。

 芝居小屋の中は、ガイドの泉忍さん(61)が案内してくれた。100年以上前に造られた劇場。踏みしめるたびにギッ、ギッと鳴る床の音を聞きながら、舞台を歩いた。

 舞台に登った沖さん。客席を見下ろし、「近いですね」とつぶやいた。泉さんが「客席から役者のしぐさがよく見える。内子座は、役者を育ててくれる場所と言われているんですよ」と教えてくれた。

 「落ちる、落ちる、落ちる!」。急な階段を下りて、2人は舞台の床下へ。明るい客席から一転、そこは薄暗い場所。「地獄」を意味する「奈落」と呼ばれる空間だ。ここには、芝居を演出する仕掛けがたくさん。舞台の中心が回転する「回り舞台」はかつて、奈落から人力で動かした。薮下さんは「昔は力持ちの人が多いんだな」と感心していた。

拡大する写真・図版ガイドの泉忍さん(右)から内子座の歴史と舞台の仕組みについて教わる2人

 2人は、舞台中央にあるもう一つの仕掛けを体験した。床の一部を人力で上げ下げする「せり」だ。これを使って、芝居の主役が「奈落」から一気に舞台に登場する。

 今回は、1人がせりで登場する「主役」を体験し、もう1人がせりを担ぎ上げる「裏方」を担う。クイズで役割を決めた結果、裏方役は薮下さんに。町役場の職員5人と、沖さんを持ち上げる「せり上げ」を手伝った。

 主役になった沖さん。上の舞台から下ろした台に乗り、光が差し込む舞台の方を見上げ「なんか、AKBのツアーのステージみたい。すごいテンション上がる」と興奮。薮下さんが「歌舞伎の人みたいでじわる。沖ちゃん、主役だよ」と声をかけると、「やったあ! 0番だ」と沖さんの声も弾む。

拡大する写真・図版「奈落」でスタンバイする沖侑果さん

 「せーの!」。薮下さんの合図で、沖さんは一気に持ち上がり、番傘を使って舞台でポーズを決めた。「一瞬。気がついたら舞台に立ってた」と沖さんの顔に笑みがこぼれた。

 ところで、0番って? 「ステージだと、センターの立ち位置に『0番』の印があるんです。なかなか立てる場所じゃないので、うれしかったです」

 なんとか沖さんを持ち上げた薮下さん。「役場のみなさんのおかげで、沖ちゃんが軽く感じました。すごく多くの人で舞台は作られるんだなって思いました。感謝の気持ちを持って行動します」と語った。(照井琢見)

拡大する写真・図版STU48の沖侑果さん

 おき・ゆうか(20) 岡山県出身。あさのあつこさんの小説が好きで「バッテリー」は何度も読み返す。「最近は大人の登場人物に共感しながら読んでます」

拡大する写真・図版STU48の薮下楓さん

 やぶした・ふう(19) 大阪府出身。アイスクリームが大好きだけど、溶けたアイスは嫌い。「溶ける前に食べきりたい。STUで一番食べるの早いです」