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 執行猶予期間中に万引きをしたとして窃盗罪に問われた名古屋市の無職の女(44)の判決が17日、名古屋地裁であった。山田耕司裁判官は、摂食障害や窃盗症(クレプトマニア)の影響を認め、「治療を継続することで再犯防止につながることが十分期待できる」として、懲役1年保護観察付き執行猶予5年(求刑懲役1年6カ月)を言い渡した。

 被告は過去に2度、窃盗罪で執行猶予付きの有罪判決を受けていた。執行猶予期間中の犯行で再び執行猶予判決を言い渡した山田裁判官は、「精神的な課題を解決することを優先するべきだと思い、異例の判断をした」と説諭した。

 判決によると、被告は昨年2月7日、名古屋市中区の100円ショップで菓子パンやおにぎりなど24点(計約2600円相当)を盗んだ。

 判決や弁護人によると、被告は2015年9月、窃盗罪で懲役1年、保護観察付き執行猶予5年の有罪判決を受けた。刑法は、執行猶予期間中に犯罪で罪に問われた場合、懲役1年以下の判決で、「情状に特に酌量するべきものがある」場合に限り、再び執行猶予を付けることができるとしている。一方、保護観察中だった場合は適用されない。今回の事件は、専門的治療に取り組み、保護観察が仮解除されていた際に起きた。

 弁護側は裁判で、被告は犯行当時、神経性過食症や窃盗症などに罹患(りかん)しており、心神喪失もしくは心神耗弱だった可能性があると主張していた。

 判決では、「動機や経緯は神経性過食症や窃盗症の影響を強く受けていた」としつつ、被告には完全責任能力があったと認定。その上で被告の治療意欲は高く、環境も整っていることから「刑罰よりも治療を優先することが許される事案」と述べた。