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 中国外務省の耿爽副報道局長は19日のネット記者会見で、北京に駐在する米紙ウォールストリート・ジャーナル記者3人の記者証を取り消したと発表した。理由について、中国を批評した同紙のコラムが差別的だとして謝罪を求めてきたが、対応がなかったためとしている。3人は事実上の国外退去処分となる。

 発端となったのは、同紙が3日に発表した「中国はアジアの病人」と題した大学教授によるコラム。新型コロナウイルスの感染拡大を引き合いに「中国の金融市場は長期的に野生動物市場より危険」「ウイルス感染や金融危機の波及は、中国の経済や政治の見通しを一変させる可能性がある」などと警鐘を鳴らす内容だった。

 中国外務省は10日の会見で、同紙に抗議したことを明かし、「人種差別を含む見出しだ。中国は公式の謝罪と責任者の処分を求める」と要求していた。同紙によると、記者は2人が米国籍、1人がオーストラリア籍で5日以内に国外へ出るよう命令されたという。

 中国の記者証取り消しの発表に先立ち、米国務省は18日に中国国営新華社通信など中国メディア5社を「外国当局機関」に指定し、米国内の大使館や総領事館などと同様に従業員や資産の報告を義務づけることを明らかにしていた。国務省高官は「一党独裁国家の宣伝機関だ」と語った。耿氏は19日の会見で、この点について「米国は報道の自由を標榜(ひょうぼう)するが、中国メディアの正常な活動を妨害している」とし、強烈な不満と反対を表明した。(北京=冨名腰隆)