拡大する写真・図版脚本家の橋田壽賀子さん

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 野村克也さんは「超」のつく愛妻家だった。だが妻・沙知代さんとの人生は、山あり谷あり、もっと大きな谷もあり、だったように見える。脚本家の橋田壽賀子さんに「夫婦の謎」を解いてもらった。

橋田壽賀子 1925年生まれ。代表作に「おしん」「渡る世間は鬼ばかり」。著書に「安楽死で死なせて下さい」など。

 ――橋田さんは昨年末、NHKの番組で野村克也さんと対談なさっていますね。

 「ええ。私は大阪の南海電車沿線で育ちましたので、プロ野球は南海ファン。野村克也さんは憧れの人でした。監督としても名声を高められたので、一度お会いしたいと思っていました。お互い伴侶を亡くした者が話し合うという企画をNHKからいただき、喜んで出かけたのでした。ご夫婦の行きつけだった東京のお寿司(すし)屋さんでした」

 ――どんな印象でしたか。 「番組で流れた通りでしたね。対談にならなかったのです。だって野村さんはほとんど何も話さず、こちらが何を言っても、ただ『独りになって寂しいです』と言うばかりでしたから。私の目も見ずしょんぼりしていました。励ましても反応が薄いし、しょぼくれて情けない姿に心底、がっかりしました」

拡大する写真・図版全国高校野球選手権西東京大会に出場した息子を応援する野村克也さん(右)と妻の沙知代さん=1991年

 ――静岡県熱海市の橋田さん宅にも訪ねてこられました。

 「1回目にあまり話さなかったので、私に申し訳ないと思われたからでしょうか。ほんの少しだけ前向きになられたように感じました。海に沈む夕日をずっと眺めていたのが印象的でした」

 ――野村さんにはお子さん、お孫さんという家族もいらっしゃいますね。

 「ええ、ご子息の克則さんのお宅が隣にあって、お孫さんもいる。本当の『独りきり』とは全然違いますよ。でも、『一日中独りぼっちだ』とこぼすのです。家族というより夫婦が全てで、野村さんから沙知代さんをマイナスすると、ゼロになってしまうんだとわかりました」

 ――ホームドラマを描かれてきた橋田さんから見て、野村さんがそこまで「沙知代さんが全て」だったのはどうしてでしょう?

 「私は一時期、民放のレギュラ…

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