[PR]

医の手帳・高血圧(3)

 血圧が高いと血管に悪影響が出て、脳心血管疾患、慢性腎臓病などの病気が起こります。

 脳心血管疾患には、脳、心臓、血管の病気が含まれ、脳出血、脳梗塞(こうそく)、狭心症、心筋梗塞が代表的です。これらは命に関わり、手足のまひなどで生活の質を大きく損ねることにもつながりかねません。症状に気づかずに進行し、知らぬ間に病状が深刻になる場合も多く、日頃から注意が必要です。

 国内の高血圧が原因の脳心血管病死亡者数は年間約10万人と推定されています。厚生労働省「健康日本21」では、食生活や飲酒などの対策で、国民の収縮期血圧を4mmHg低下させることを目標にし、脳卒中死亡が年間約1万人、冠動脈疾患死亡が約5千人減ると推計しています。

 日本高血圧学会のガイドラインでは、血圧の値によって分けたレベルとともに、血圧以外の健康状態から、低、中等、高リスクの3群に危険度を分けています。中でも糖尿病、たんぱく尿のある慢性腎臓病は特に重要で、高血圧以外にこれらの病気がある場合は、高リスク群に分類されます。生活習慣の修正は、血圧が正常高値レベル以上の全ての方に必要ですが、特に高リスクの方は、生活習慣の修正に加え早期の薬物治療の開始が望ましいと考えられています。

 日頃の外来でも、最近は高血圧によって起こる「腎硬化症」という慢性腎臓病の一つが悪くなり、透析が必要になる患者さんが年々増えています。高血圧が腎臓を悪くするとともに、慢性腎臓病が高血圧を悪くする悪循環で、腎機能障害が進んでから外来を受診される方も多くいます。

 早い段階で高血圧をケアする必要がありますが、自営業の方など健診を受けない方も多くいます。健診で医療機関への受診を勧められても、放置してしまうことも珍しくないようです。軽く考えず、その先にある疾患を意識して、血圧を管理することが重要です。(新潟大学医歯学総合病院 腎・膠原病内科 忰田亮平助教)