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 優れた報道で国際理解に貢献したジャーナリストに贈られるボーン・上田記念国際記者賞の2019年度の受賞者が25日、朝日新聞経済部次長の村山祐介記者(48)に決まった。米国を目指す移民の実像に迫り、紙面だけでなくテレビ、ネットなど多様なメディアで伝えた姿勢が評価された。

 村山記者はアメリカ総局員、ドバイ支局長などを歴任。16年5月から19年3月まで在籍した日曜版GLOBE編集部で、トランプ米大統領が公約に掲げたメキシコ国境の「壁」を皮切りに、足かけ2年をかけて米州大陸7カ国で取材を重ねた。

 18年には、移民が乗る貨物列車のルートをさかのぼり、貧困と治安悪化の「負の連鎖」にあえぐ中米エルサルバドルの実情をリポート。昨年2月には、中米から米国を目指す移民集団キャラバンに同行し、欧州難民危機の後で、パナマとコロンビアにまたがる危険な密林ダリエンギャップが、カメルーンやインドなどから海を越えて米国を目指す人々の新ルートになっていることを突き止めた。

 公益財団法人「新聞通信調査会」がつくる同賞委員会は、授賞理由を「記者魂を実感させるような体を張った粘り強い取材」を通じて、新ルートの移民が「アフリカ・アジアを中心に約50カ国に及んでいる実態をつかんだ」と評価した。

 一連の取材は、GLOBE紙面やウェブ版GLOBE+に掲載。村山記者の動画撮影により「報道ステーション」(テレビ朝日系)やAbemaTVでも放送された。同賞委員会は「多様なメディア、媒体を駆使して、幅広い読者、視聴者に情報提供した報道姿勢も特筆に値する」としている。