山崎輝史
「乱世を駆け抜けたヒーロー」のイメージも強い真田氏。ただ、群馬県北部に残る水牢跡は、江戸初期にこの地を治めた真田氏の「悪いお殿様」という別の一面をいまに伝える。
東吾妻町新巻の「池の薬師の水牢跡」は、草津温泉へ向かう街道から外れた斜面下にある。薬師堂そばにあるのは、一見するとただの小さな池。風花が舞っていた2月上旬、水温を測ると7度だった。
傍らの看板が解説する。
農民に重税を課していた沼田藩主の真田氏は旧暦12月、年貢未納だった農家の妻子を4、5人ずつ縄で縛り、寒中の水に立たせた。家族は見るに堪えず、田畑を処分するなどして金を集め、妻子を救い出したという。
同様の水牢跡は、中之条町横尾にもある。「桃瀬の水牢跡」だ。こちらの解説も池の薬師とほぼ同じ。男は首がつかるまで入れたらしく、「体温低下により死んだ者もいる」と書かれているから、もっと物騒だ。
拠点の信州から現在の群馬県北…
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