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 京都アニメーションの放火殺人事件で犠牲になった36人には入社したばかりの新入社員もいた。その一人大村勇貴さん(当時23)が大学在学中に描いた作品を紹介する個展が出身地の静岡県菊川市で始まった。ゆかりの人たちから作品を見たいとの声を受け、両親や学生時代の仲間らが企画した。大村さんの母が、息子の思いをくんだメッセージも会場に掲げられている。

 大村さんは静岡市の常葉大造形学部で学んだ。在学中から創作意欲が強く、様々なプロジェクトに関わり、二科展や日本ブックデザイン賞など様々な公募展で入賞を重ねた。卒業後の昨年4月、京アニに入社し、アニメーターとして新たな一歩を踏み出した矢先に、事件で命を奪われた。

 事件後、「作品を見せてほしい」との声が大村さんの友人や親戚から相次いで寄せられ、両親や大学で大村さんを指導していたタイ出身の准教授のチラユ・ポンワルットさん(38)らが中心となり、「ぼくの絵本 大村勇貴展」を開くことに。大学の後輩らも設営を手伝い、築120年の「菊川赤レンガ倉庫」を借りて実現した。

 会場の中央には、大村さんの卒業制作展をそのまま再現した。絵巻風の絵本「どっくんどっくん」は「生物38億年の歴史を疑似体験できる図鑑」だ。動物や自然を擬音擬態語の文字や絵で色鮮やかに表現し、学内でも優秀賞に輝いた。その隣には大学4年の時に大村さんが描いた自画像を置いた。クロッキー帳を脇に抱え、鉛筆を握りしめている。

 チラユさんは、いつもかばんにクロッキー帳を入れて、思いついたアイデアを書きためていた大村さんの姿を覚えている。個展では、大村さんが愛用していた鉛筆や筆など絵描き道具のほか、自宅で絵を描く時に使っていた椅子や電気スタンドも展示した。おしゃべりが好きで明るかった大村さんをイメージして、好きだった黄色を会場のあちこちにあしらった。

 初日の21日は大村さんを知る人たちが次々に訪れた。小学1年の時の担任教諭だった静岡県掛川市の女性(63)は「まじめでおとなしい子だった。こんなにすてきな絵を描いていたなんて」と声を詰まらせた。

 訪れた子どもたちには、菊川市…

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