[PR]

 インドネシア首都ジャカルタ東部で25日、日系ショッピングモールに地元住民が集団で押しよせ、施設の一部を破壊した。連日の大雨による大洪水で住宅街などに浸水被害が広がっており、住民らは「モール建設が洪水の原因だ」と抗議したが、関連は不明だ。

 騒ぎがあったのは「イオンモール ジャカルタ ガーデンシティ」。複数の警備員によると、午前10時半ごろ、地域住民ら100人近くが押し寄せ、窓ガラスに投石したり、壁に登って防犯カメラを破壊したりし、「このモールが洪水の原因だ」と叫んだという。東ジャカルタ警察署は少なくとも1人を逮捕した。

 モールは午前10時に開店。抗議する住民が店に押し入ろうとしたため、施設側はゲートを閉め、客を施設内に一時とどまらせた。武装警官らが出動し、約2時間で収拾したという。

 一帯では十数年前から新興住宅街が開発され、2017年9月末に開店したイオンモールは中心的な存在。同署のアリ・リシャディ署長は取材に、付近の四つの集落が住宅街の洪水に不満を募らせ、一帯の開発業者に改善を求めているとし、「一部が暴徒化した」と語った。

 モールは高台に建っている。周辺の古くからの住宅街は低地で、この日、雨が降りやんでから6時間以上が過ぎた夕方になっても水は引かず、ひざ下まで冠水し、住民たちはズボンの裾をまくったり、ゴムボートを使ったりして移動していた。自宅から避難したウジャングさん(42)は、抗議デモには参加しなかったが、「再開発の後から、ちょっとした雨でも洪水が頻発するようになった」と取材に訴えた。

 首都圏では22日夜以降、断続的に大雨が降り続き、各地で洪水が発生。最大150センチの浸水被害が出た。州によると、原因は不十分な治水設備と、想定を超える大雨だ。首都圏では昨年末から今年初めの大雨による洪水で計67人が死亡し、日常生活にも影響が出ている。(ジャカルタ=野上英文)