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 新型コロナウイルスの感染拡大で中国からの団体客が減少した影響で、愛知県蒲郡市にある老舗の温泉旅館「冨士見荘」が25日までに事業の継続を断念したことがわかった。東京商工リサーチ名古屋支社によると、新型コロナウイルスの影響を受けた企業の経営破綻(はたん)は初めてという。

 同支社によると、冨士見荘の運営会社は1956年に設立され、資本金は9600万円。2005年12月期決算では売上高は5億5千万円を計上していたが、国内需要の落ち込みなどで、直近では1億円程度に落ち込んだ。

 近年では中国人団体ツアー客に多くの客室を提供することで、一定の稼働率を確保。だが、新型コロナウイルスによる肺炎の拡大を受けて中国政府が団体旅行の禁止に踏み切った今年1月から、中国からの団体ツアーのキャンセルが相次いだ。中国からの団体客の回復が見込めず、需要が確保できなくなったという。

 すでに従業員約10人も解雇されたとみられるという。弁護士事務所が近く、名古屋地裁豊橋支部に破産手続き開始を申し立てる。(床並浩一)