米航空宇宙局(NASA)で宇宙開発に貢献した黒人女性数学者のキャサリン・ジョンソンさんが24日、死去した。101歳だった。黒人女性が人種差別を乗り越え、宇宙開発に貢献した姿を描いた映画「ドリーム」のモデルにもなった。

 NASAによると、ジョンソンさんは1918年、米ウェストバージニア州生まれ。初の黒人学生の1人としてウェストバージニア大で数学を学んだ。53年にNASAの前身組織に入り、米ソ冷戦期の宇宙開発競争を支えた。

 61年には、米初となる有人宇宙飛行の軌道計算を実施。62年にジョン・グレン宇宙飛行士が米初の地球周回飛行に挑む際には、当時導入されたばかりのコンピューターに不安を持ち、ジョンソンさんに軌道を再計算させたという。

 一方、当時の米国は人種隔離政策の最中で、職場やトイレが白人用と黒人用に分けられていた。ジョンソンさんらの実績がNASA内での隔離解消につながった。

 ジョンソンさんらNASA初期の黒人女性3人の隠された貢献を描いた映画「ドリーム」は2017年のアカデミー賞では作品賞など3部門でノミネートされた。15年にはオバマ大統領から「大統領自由勲章」を受章した。

 NASAのブライデンスタイン長官は声明で「宇宙のフロンティアを広げることを手助けしたとともに、女性と肌に色のある人たちに扉を開く大きな進展をもたらした」とたたえた。(香取啓介)