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 自民党の石破茂元幹事長は25日、日本記者クラブで「日米安保条約改定60年」をテーマに講演した。「ポスト安倍」をにらんだ自身の安全保障政策を披露し、安倍政権との違いを強くアピールした。

 日米安保の現状について、石破氏は日本が独自に核兵器などの軍事力を持つ「独力防衛」は「非現実的だ」と強調。「日米安保は理にかなっており、いかに持続可能なものにするかが重要だ」とし、日米同盟を健全に維持することが課題だと位置づけた。

 その上で国家の主権を守るためには、軍隊は必要だとする持論を展開。戦力不保持などを記した憲法9条2項を削除し、軍隊を憲法上明記する改憲の必要性を訴えた。一方、「論理整合のための改憲なら必要ない」と述べ、安倍晋三首相が主張する9条2項を残したまま自衛隊を明記する改憲案への異論を唱えた。

 また石破氏は、自衛権を行使できる範囲などを定める国家安全保障基本法の成立を探るべきだとの考えを表明。幹部自衛官が国会に出席して答弁に立つことを認め、自衛官の法令違反を審理する審判所を設置するなど、文民統制を強める仕組み作りも求めた。

 軍事力を強める中国に対する安保政策が大きな課題となるなか、石破氏は「日本の自衛隊に何ができるかを政治がきちんと理解しないまま、中国の軍拡を脅威と言うべきではない」と指摘。中国の海洋進出を抑えるために日米同盟の連携を強めるほか、「いたずらに脅威をあおるのではなく、ミサイル防衛、シェルターの整備など、攻撃の効果を無力化する『拒否的抑止力』を高めることが必要だ」と強調した。(鬼原民幸)