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 新型コロナウイルスの感染拡大が、日本国内での商品の販売に影響を及ぼし始めた。中国での工場生産の停止や物流の混乱を受け、自動車の納車が遅れたり、衣料品の販売が延期されたりする事態が相次いでいる。

 「納期遅れが徐々に出始めている。影響がこれからいろいろ出るのでは」

 ホンダ系の販売会社社長で日本自動車販売協会連合会会長の加藤和夫氏は25日の記者会見で懸念を示した。

 ホンダが7年ぶりに全面改良して14日に発売したばかりの小型車「フィット」の納車が一部で遅れている。中国で製造するワイヤレス充電器の供給が不安定になったため。主力の新型フィットだけでなく、他の複数の車種もワイヤレス充電器を追加で装着する場合は納車が遅れる見込みだ。販売店関係者は「今のところ納車遅れはわずかだが、問題が長引けば増えるかもしれない」と話す。

 住宅設備メーカーでも中国からの部品調達が滞り、受注の停止や商品の納期遅れが発生している。パナソニックは25日、システムキッチンや全自動掃除トイレ、据え付け型食器洗い乾燥機の一部で新規受注を停止していることを明らかにした。システムバスや照明器具などは、通常の納期で顧客に届けられない可能性があるという。

 住宅設備大手のLIXIL(リクシル)でも部品調達に遅れが生じ、トイレやシステムキッチンの一部などで新たな受注に対応できず、ユニットバスなどの水回り商品を中心に納期が遅れる可能性があるという。自社ホームページで納期の遅れなどに関する告知を出した。

 衣料品では、ユニクロを展開するファーストリテイリングが21日に予定していた新商品の一部の発売を延期した。「ユニクロ U」シリーズの「ジャージーテーラージャケット」(税抜き7990円)の発売が3月初旬に、「ツイルジャージーイージーパンツ」(同3990円)の発売が今月24日にずれこんだ。中国での工場生産や物流などに遅れが生じたためとしている。「23区」や「組曲」のアパレルブランドを扱うオンワード樫山は春夏物の一部で、「ダーバン」などを扱うレナウンも夏物などで納期遅れの可能性があるという。

 若い女性に人気のブランド「サマンサタバサ」の日本事業を展開するサマンサタバサジャパンリミテッドも21日、中国の提携工場の生産が遅れていることなどを理由に、2020年2月期の純損益が従来予想の1億1800万円の黒字から19億1700万円の赤字に転落する見通しだと発表した。