日本の純文学作家の最高峰の一人で「内向の世代」を代表する古井由吉(ふるい・よしきち)さんが18日、肝細胞がんで死去した。82歳だった。葬儀は近親者のみで営んだ。喪主は妻睿子(えいこ)さん。

 東京生まれ。空襲を受け岐阜に疎開、終戦を迎えた。東京大学でドイツ文学を学び、20代は金沢大学や立教大学で教えながら翻訳もてがけ、作家になった。

 1971年に「杳子(ようこ)」で芥川賞を受賞。個人の内面を重視する「内向の世代」の代表格となる。80年「栖(すみか)」で日本文学大賞、83年「槿(あさがお)」で谷崎潤一郎賞、87年「中山坂」で川端康成文学賞、90年「仮往生伝試文(かりおうじょうでんしぶん)」で読売文学賞、97年「白髪の唄」で毎日芸術賞と主要な文学賞をほぼ受賞。その後は賞を辞退したが、緻密(ちみつ)な文体と練り上げられた日本語表現で、誰もが認める作家の中の作家だった。

 東日本大震災の後、2011年4月から1年間、仙台で被災した作家佐伯一麦(かずみ)さんと朝日新聞で往復書簡を続けた。焼け跡の記憶と高度成長期のひずみを個人的な実感から普遍的に描いた。熱烈な競馬ファンで、作品に馬や競馬を取り入れることもあり、日本中央競馬会の機関誌にエッセーを連載した。

 芥川賞の選考委員を86年から務め、05年に辞任後も朗読会や講演会などは積極的に行い、後進を育てた。

 頸椎(けいつい)の持病を抱えていたが、12年には集大成となる「古井由吉自撰作品」(全8巻)を刊行した。近年は、短編を中心に文芸誌に作品を発表していた。

■「最良の文章、作り上…

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