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 国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は27日、日本メディアとの電話会見に応じ、「臆測の炎に油を注ぐことはしない」と話した。大会調整委員会のコーツ委員長らの発言や、中止や延期する選択肢についての質問には直接的には答えなかった。大会成功へ全力を尽くすことを約束するとして、大会組織委員会や日本政府などの対応を称賛するとともに、アスリートには「あらためて素晴らしい大会になるだろうと保証する。全精力をかけて練習や準備に励んでもらいたい」と呼びかけた。

 また、東京都の小池百合子知事は、コーツ氏の発言について報道陣に「色んなことを心配いただいているのだと思う」と話した。(ロンドン=遠田寛生)

「日本政府が対策とっていること知っている」

主なやりとりは以下の通り。

 ――準備状況について。

 「これまで言ってきた通り、今夏の東京五輪はとても素晴らしい大会になるとみている。アスリートにはそのことをあらためて保証したいし、練習や準備に全精力をもって励んでもらいたい」

 ――IOC古参委員のディック・パウンド氏のコメントで、開催判断が5月下旬という発言があった。「新しい戦争」という言葉も出ていたようだが。

 「パウンド氏が、IOCが7月24日の東京五輪開会式に向けて、全力を尽くしていると話したことも忘れないでもらいたい。それにこの難題を前にし、様々な国や連盟、各国のオリンピック委員会などの間に団結や連帯が生まれている。とても誇りに感じる」

 「世界大戦と比べるのは、釣り合わない」

 ――開催判断はいつが期限か。中止や来年に延期する選択肢はあるのか。

 「臆測の炎に油を注ぐことはしない。今が重要だ。臆測ではない。今は五輪予選の手続きや、アスリートの安全を保証することが大切だ。日本政府や世界保健機関(WHO)、各国オリンピック委員会(NOC)などと協力しながら、進めている」

 ――安全な大会を開催するために、日本は今後何をしていくべきか。

 「日本政府が対策をとっていることも知っているし、アスリートや観客の安全のために、やれる手は尽くしている大会組織委員会の協力にも感謝している。それに大会を見据えて、中国のNOCは候補選手のほとんどをできる限り早く国外に移してもいる」

 「日本の固い決意と、スポーツ・ムーブメントを超えた連帯から、今夏に計画通り素晴らしい大会を実施できると思っている」

 ――様々な臆測は日本に大きな混乱を招いている。日本や世界の人々に伝えたいことはなにか。

 「IOCは東京五輪を素晴らしい大会にするために、全力で取り組んでいる」

 ――大会調整委員会のコーツ委員長が地元の豪州メディアに、3カ月後までに開催判断をする必要性を語っていたが、これはIOCの正式なスタンスではないのか。

 「IOCの公式な立ち位置は、東京五輪を素晴らしい大会にすべく全力で取り組んでいるということだ。五輪の予選会やアスリートへの準備もそうだ。アスリート、各国の関係者、観客と、五輪に参加する全ての人への安全確保がIOCや大会組織委にとって最優先事項だ」

 ――東京五輪開催に向けて、最終的な条件は。

 「全ての人の努力のおかげで、大会準備や予選会は進んでいる。難しい局面だが、それでも、この予選期間を成功させ、東京大会で日本の人々と素晴らしい大会をともに祝いたい」(構成・遠田寛生)