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 世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は27日の記者会見で、中国内で新型コロナウイルスへの新たな感染が下火になる一方、中国外の感染者数が大きく拡大している現状を踏まえ、「我々は正念場を迎えている」と述べた。初めて感染者が出る国が相次いでおり、各国の保健当局の初動対応が今後の動向に大きく影響するとした。

 テドロス氏は「鼻水はあまり出ない。90%の人は発熱し、70%は空ぜきを伴う」などと症状の特徴を述べ、医療物資や医療従事者の教育などの準備ができているかが、今後を左右するとした。そのうえで、世界的な大流行を意味する「パンデミック」になる潜在的な可能性があるという認識を改めて示した。

 また、イラン、イタリア、韓国での集団感染を不安材料に挙げ、特に主要7カ国(G7)に入るイタリアでの感染拡大は「驚きだ」と述べ、多くの途上国で起きかねないことだとした。この段階の対応によって「ここからは(良い方と悪い方の)どちらにも進みうる」との認識を示した。

 27日現在、いったん感染者が出た後、2週間以上、新規感染者がいない国として、ベルギー、カンボジア、インド、ネパール、フィリピン、ロシア、スリランカ、ベトナムを挙げ、これらの国では「積極果敢な初動対応が感染の拡大を防いだ」と述べて、封じ込めは可能だと強調した。(ウィーン=吉武祐)