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 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため安倍晋三首相が小中高校などの臨時休校を要請したことを受けて、文部科学省は28日、全国の都道府県教育委員会などに対し、学校保健安全法に基づく臨時休校を求める内容の通知を出した。こうした通知は過去に例がなく、全国の小学生約640万人、中学生約320万人、高校生約320万人などが対象となる。首相は29日に記者会見を開き、自ら説明する方針だ。

 通知では、臨時休校の期間や形態について「地域や学校の実情を踏まえ、各学校の設置者の判断を妨げるものではない」としている。留意点として、人の集まる場所への外出を避け、基本的に自宅で過ごすよう指導する▽課程の修了や卒業認定にあたり、進級や進学に不利益が生じないよう配慮する▽障害のある子どもの居場所の確保▽高校入試は消毒や手洗いなどの感染防止措置をした上で実施する、ことなどを挙げた。

 文科省は25日、学校で感染者が出た場合、周辺地域の学校も積極的に臨時休校を検討するよう求める通知を出したばかりだった。急な方針転換について、萩生田光一文科相は28日午前の会見で、「政府がさらなる大方針を示したということだと思う」と述べ、文科省の想定を超える政治判断だったことを明らかにした。文科省の矢野和彦大臣官房審議官は会見で、27日に萩生田氏や文科省幹部が会見などを開いて臨時休校の要請について説明しなかったことについて、「誠に申し訳なく思っている」と謝罪した上で「素早く対応するにこしたことはないが、正確に細部にわたって進めることも大事」と理解を求めた。

 首相は28日、衆院予算委員会で「先手先手でやるべきだろうと判断し、全国一律という判断をした」としたうえで、「科学的・学術的な観点から詳細なエビデンス(根拠)の蓄積が重要なことは言うまでもないが、極めて切迫した時間的制約の中で、最後は政治が全責任を持って判断すべきものと考えて決断した」と述べた。「法的拘束力を有するものではない」とも言及した。

 麻生太郎財務相は28日の会見で「こういう要請をして経費がかかる場合は政府が払うのは当然」と述べ、対応を検討していることを明らかにした。(宮崎亮