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医の手帳・高血圧(4)

 生活習慣を直しても血圧が十分に下がらず、診察室で測定した血圧が収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上の場合には、脳や心臓、腎臓などに生じる障害を防ぐため、降圧薬による治療が必要です。

 血圧を下げる目標値は年齢により異なり、75歳未満の成人では収縮期血圧130mmHg未満かつ拡張期血圧80mmHg未満、75歳以上の高齢者では収縮期血圧140mmHg未満かつ拡張期血圧90mmHg未満が診察室血圧の目標値です。ただし、合併症の有無や種類により異なるため、必ず主治医に確認する必要があります。降圧薬には多くの種類がありますが、最初はカルシウム拮抗(きっこう)薬、レニン・アンジオテンシン系阻害薬、利尿薬など、脳や心臓、血管に生じる病気を予防する効果のある薬のいずれかを使い、1日1回少量の内服から始めます。1種類の降圧薬で血圧が治療目標値に達しない場合は、2種類以上の降圧薬を併用します。

 高血圧治療の目的は単に血圧を下げるだけではなく、目標とする血圧を長期間保ち、高血圧による臓器障害の発症を防ぐことにあります。そのため、血圧が下がっても自己判断で内服薬の減量や中止をしてはいけません。生活習慣の修正は降圧薬の効果を高める作用もあるため、内服治療を開始しても続ける必要があります。

 血圧は季節や一日のうちでも上がり下がりがあり、毎日家庭で血圧を測定することは降圧薬治療の効果を判定する上で重要です。家庭で測った血圧は、診察室で測定した血圧より低いことが多く、目標値は75歳未満の成人では収縮期血圧125mmHg未満かつ拡張期血圧75mmHg未満、75歳以上の高齢者では収縮期血圧135mmHg未満かつ拡張期血圧85mmHg未満です。診察室血圧よりも家庭血圧の方が信頼性があり、家庭血圧による判定が優先されます。(新潟大学大学院医歯学総合研究科 金子佳賢講師(腎・膠原病内科学))