終戦前の台湾で小学校教師をし、帰国後も教え子らとの交流が続いた熊本県玉名市の高木波恵(たかきなみえ)さんが28日未明、死去した。111歳だった。葬儀は29日午後1時から和水町前原241の7の天翔会館・菊水斎場で。喪主は次男保明さん。

 高木さんは警察官だった父親について日本統治下の台湾に行き、約10年間、現地の小学1、2年生を教えた。終戦後の混乱で日本に引き揚げてからも教え子らとの思い出を懐かしみ、5年前には久しぶりに手紙を書いた。それがきっかけとなり、80~90代になった教え子たち約20人が母校に集まり、自宅にいる高木さんとインターネットを通じて約80年ぶりの「再会」を果たした。

拡大する写真・図版台湾の教え子たちとの映像を通じたあいさつに大喜びする高木波恵さん=2015年9月8日、玉名市溝上

 2017年には「日台双方の友好関係の絆を作った」として、台湾の総領事館にあたる台北駐福岡経済文化弁事処の代表から感謝状が贈られた。

 高木さんはネコとの交流でも話題となった。近所の飼い猫が遊びに来た時、娘の恵子さん(81)にその日の出来事を短く書いてもらい、その手紙を首輪に結び、飼い主へ届けさせた。2年半で800通を超え、「伝書ネコ」と呼ばれるようになった。そのネコは、熊本地震のあった16年の冬に死んだ。高木さんの遺族は本人が落胆しないようにと、ずっと伏せていた。(村上伸一)

拡大する写真・図版「伝書ネコ」をかわいがる波恵さん=2015年5月1日、玉名市溝上