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きょうも傍聴席にいます

 母は娘の大好きなドラえもんが容器に描かれたお弁当を買って、自宅に帰宅した。しかし、いつもは駆け寄ってくる幼い娘は部屋でうつぶせのまま、冷たくなっていた。娘の好物の納豆巻きを残して家を出たが、それからもう8日が過ぎていた。なぜ、母は我が子を1人で置き去りにしたままにしていたのか。

 3月5日、仙台地裁。自宅に娘(当時2)を放置して死亡させたとして保護責任者遺棄致死罪に問われた仙台市青葉区の被告の女性(26)の裁判員裁判の初公判が開かれた。トレーナーにデニム姿、金髪が毛先に残った髪を一つに束ねて法廷に姿を現し、「放置したつもりはなかった」と小さな声で起訴内容を否認した。

 起訴状によると、被告は昨年6月21日午後8時半ごろから同月30日までの間、施錠し、冷蔵庫でドアを塞いだ自宅の居間に娘を放置し、低栄養状態下の低体温症と脱水によって死亡させたとされる。

     ◇

 検察側、弁護側の冒頭陳述や、被告の供述などから事件をたどる。

 2016年7月、被告は未婚の母として娘を出産した。低体重で、腹壁破裂と腸閉塞(へいそく)で生まれてきた娘は、小腸がほとんどない状態だった。医師からは「脳に障害が残るかもしれない」と言われたが、娘は2回の手術を乗り越えた。約4カ月間の入院生活を経て、実家に戻った。生後まもなくは、病院の指示でミルクは5ccしかあげられず、母乳をめん棒に浸してあげていたという。被告は公判で、弁護人に当時の状況を聞かれ、こう答えた。

 弁護人「授乳に制限は」

 被告「量が決められていた。前回飲んでから、はいせつはあるか確認して、不安だとかんちょうした」

 弁護人「健康に不安はあったか」

 被告「いつどのタイミングで腸の調子が悪くなるか。ちゃんと判断できなければ死なせてしまうのではと」

     ◇

 シングルマザーとして娘を養うために仕事を見つけようと、被告はハードな毎日を送っていた。昼は娘を保育園に預けて准看護学校に通い、学校が終わると娘を実家に預けた。夜は学費と生活費を稼ぐため、キャバクラで働いた。実家の母親が娘の面倒を見られない時は、夜も別の保育園に預けた。娘は腸が短いため、1回の食事の量が少なく、何回にも分けて食べさせなければならない。それでも被告は自分の妹に「娘が一番かわいい」と何度も漏らすほど娘を溺愛(できあい)し、時に実家の家族の協力を得ながらも子育てに奮闘していた。しかし、娘が1歳になるころ、それまでのような生活が続けられなくなった。

 17年7月、被告は父親とけん…

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