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追跡メイドインジャパン和牛編

 昨年3月、和牛の受精卵と精液を、検査を受けずに中国に持ち出そうとしたとして、大阪府内在住の日本人の男2人が大阪府警に逮捕された。さらに受精卵を流出させたとして徳島県内の畜産農家の男も逮捕された。

 流出をはかった男2人は昨年6月、執行猶予付きの有罪判決を受けた。

 誰が、なぜ、彼らに受精卵を運び出すよう求めたのか――。

 我々は粘り強く犯人の男に、取材の趣旨を説明した。当初は「話すことは何もない」とかたくなだった男も、徐々に重い口を開いた。ただ動画の撮影はかたくなに拒まれた。

 「中国と日本の和牛農家の受精卵の売買はすでに決まっていた。それを運んだだけだ」

 男が語る中国の和牛業界の現実は、私たちの想像を超えていた。

拡大する写真・図版凍結保存されるストロー入りの牛の精液

 男は2000年代後半から、和牛の肉を香港やマカオに向けて輸出してきた。当時、すでに中国で和牛は人気になっていた。アジアの別の国や中東にも販路を拡大。そんななか、仲良くなった香港の和牛肉の取引先から「受精卵を運んでくれないか」と依頼されたという。

 取引先へのサービスのつもりで運んだ、という。

 「日本の和牛遺伝子は、中国で当たり前のように入手されている。悪いことだと思わなかった」

 液体窒素で冷凍した受精卵は、大阪の港から船で2日ほどで中国へ。日本では手続きをしていなかったが、中国の検疫ではこれまで「和牛の受精卵」であることを伝えて輸出できていたという。

 男によると、日本在住の中国人などの仲介者が様々な手口で和牛農家と関係を結び、受精卵や精子を入手して中国へ送っているという。「受精卵や精子だけでなく、受精卵を着床したり和牛の精子を種付けしたりできる専門家も、日本から連れてきている」

 男は言う。「中国の和牛人気は高い。これからも、あの手この手を使って和牛の受精卵を手に入れるのではないか」

■流出防止へ動き出し…

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