五輪「夏開催」維持の内幕 「積み重ねはガラス細工」

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前田大輔、編集委員・稲垣康介 軽部理人、野村周平
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 今年7月24日に開幕予定だった東京五輪は、ほぼ1年後の2021年7月23日に開幕することが決まった。国際オリンピック委員会(IOC)や各競技の国際統括団体内では春開催案も浮上したが、大会組織委員会など日本側が当初から想定していた夏に落ち着いた。ただ、課題は山積で、1年後に新型コロナウイルスが収束し、無事に開催できるのかも見通せない。

早期決着に「ロケットスタート成功」

 「これまで折衝を続けた7年間で、いいチームになった」。30日午後6時、IOCのバッハ会長と、組織委の森喜朗会長の電話会談。2人はそうたたえ合い、「21年7月23日開幕」を正式に決めた。

 この会談はバッハ会長がもちかけたという。「日本側のことを考えてくれた」(組織委幹部)。森会長はその後の記者会見で、新型コロナウイルスの収束が春より期待できること、選手選考に一定の時間がかかること、夏休みの方が輸送、ボランティア確保に望ましいことなど、夏開催の利点を列挙。「日本から申し上げたことから、(五輪の開催は)21年夏になる」と、日本側の提案が受け入れられたとの見方を示した。延期決定からほぼ1週間での決着に、ある組織委幹部は「ロケットスタートに成功した」と大喜びだった。

 組織委は当初の予定通りの夏開催で早期決着するよう望んでいた。選手の準備のしやすさ、新型コロナウイルス感染拡大収束への期待だけではない。五輪は肥大化し、準備に多大な時間がかかる。夏開催なら、元々の計画をベースにできるためだ。

 IOCや競技団体のなかには、酷暑を避けられる春開催を希望する意見もあった。しかし、関係者によると、主要な競技団体は年間スケジュールを動かすのが難しいとの理由で夏開催を主張し、IOCは根回しを進めていた。

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